自社のホームページで、問い合わせ先を探してみたことはありますか? 場所を知っている自分としてではなく、初めて来た人のつもりで、です。
私はホームページの作成と管理を担当してきました。作る側は、どこに何があるかを知っています。だから、訪問した人が迷う所は、わざわざ確かめにいかないと見えてこないと考えています。
確かめるのに、特別な道具は要りません。自分のパソコンとスマホで、自社のサイトを触るだけ。まず、製品のページを1枚、最後まで読む所からです。
確かめる所は、読み終えた所の入口、スマホで電話番号までの道のり、連絡の方法ごとの案内の3つです。
検索の順位とは切り離して見ます。見つけやすくすれば問い合わせが増える、と約束できる話ではありません。ただ、どれも自分の手で確かめて、直す場所を決められる所です。
問い合わせ先が見つかるかは、初めて来た人のつもりで触って確かめます
問い合わせ先が見つけやすいかどうかは、初めて来た人のつもりで自社のサイトを触ると分かります。
検索の順位の話とは、いったん切り離します。検索で見つけてもらうための確かめ方は、製造業のホームページSEOの基本に書きました。ここで見るのは、その先。サイトに来てくれた人が、連絡の方法で迷わないかどうかです。
たとえば、図面を持った設計の担当者が、加工を頼める会社を探しているとします。製品のページを読んで、「ここなら頼めそうだ」と思った。そのとき、次に何を押せばよいかが、すぐ分かるでしょうか。
作った側は場所を知っているので、迷いに気づきにくい
自分で確かめるときにやっかいなのは、作った側が場所を知っていることです。
「会社概要のいちばん下に電話番号がある」と知っている人は、迷わずそこへ行けます。初めて来た人は、それを知りません。だから、知らないつもりで、手順を決めて触ります。私なら、次の順です。
製品か設備のページを1枚選ぶ
トップページからは始めません。訪問した人が最初に開くのが、トップページとは限らないからです。
上から下まで読んで、手を止める
読み終えた所で、いったん止まります。その画面に何が見えているかを覚えておきます。
連絡の方法を探す
探すのは、電話、メール、問い合わせフォーム(必要なことを書き込んで送る画面)のどれかです。たどり着くまでに押した所と戻った所を、紙に書きます。
スマホでも同じことをやる
同じページを自分のスマホで開き、同じ順で触ります。パソコンのときのメモと並べて見ます。
それでも、場所を知っている人が触ると、手が先に正解へ動きます。
そこで私なら、サイトをあまり見たことのない社内の人にも頼みます。入ったばかりの人や、現場の人です。「うちに見積もりを頼むつもりで、連絡先を探してみて」とだけ伝えて、横で見ます。口は出しません。手が止まった所が、直す場所の候補になります。
製品のページを読み終えた所に、問い合わせへの入口があるかを見ます
最初に見るのは、製品のページを読み終えた所です。そこに、問い合わせへの入口があるかどうか。
読み終えたあとに、ページのいちばん上まで戻って、メニューを探すことになると、ひと手間かかります。面倒くさがりの私は、そのひと手間で「あとでいいか」となりがちなんです。
たとえば、問い合わせへの入口が、ページのいちばん上のメニューにしか無いサイトです。長い製品のページほど、読み終えた所から入口までが遠くなります。


見る所は、次の4つです。
- 製品のページを読み終えた所に、問い合わせへの入口があるか
- 設備や加工の事例のページにも、同じように入口があるか
- 入口が、まわりの文字や画像に埋もれていないか
- 入口を押した先が、問い合わせの画面にそのままつながっているか
4つ目は見落としやすい所です。たとえば、入口を押したら会社概要のページが開き、そこからさらに問い合わせフォームを探す、という作り。押す数が増えるたびに、迷う場所も増えます。
設備や事例のページを足したのは、製品のページだけを読んで帰る人ばかりではないからです。「この設備があるなら頼めそうだ」と思った人にも、同じ場所に入口が要ります。
入口の言葉は、押した先で何ができるかが分かるものにする
入口は、場所とあわせて言葉も読みます。押した先で何ができるのかが、言葉だけで分かるかどうかです。
「お問い合わせ」とだけ書いてあると、見積もりを頼んでよいのか、図面を送ってよいのか、迷う人がいるかもしれません。たとえば「図面をお持ちの方の見積もりのご相談はこちら」のように、相手の用件を入れる案があります。
どの言葉がよいかは、会社とお客様しだい。私なら、営業の人に「最初の連絡は、どんな用件が多いですか」と聞いてから決めます。お客様が口にする用件が、そのまま入口の言葉の材料になるので。
言葉の案を広げたいときは、生成AIに候補を出してもらう手もあります。指示の出し方は、製造業の事務でのChatGPTの使い方と指示の出し方のコツにまとめています。出てきた案はそのまま使わず、営業の人と読み合わせてください。
スマホでは、電話番号にたどり着くまでに何度戻ったかを数えます
次は、自分のスマホです。電話番号を見つけるまでに、画面を何度戻ったかを数えます。
パソコンで見つけやすかった連絡先が、スマホでも同じ場所にあるとは限りません。だから、パソコンとは別に、もう一度やります。
たとえば、出先で急ぎの確認をしたい人が、スマホで電話番号を探しているとします。メニューを開いて、会社概要を開く。見当たらずに戻る。アクセスのページを開いて、また戻る。あなたなら、何度目であきらめますか?
数え方は単純で、戻るたびに紙に線を引いていくだけです。あわせて、次の所も見ておきます。
- 電話番号が、どのページでも同じ場所で見つかるか
- メニューを開かなくても、電話番号か問い合わせへの入口が見えるか
- 番号を押して、そのまま電話をかけられるか
- 受付の曜日と時間が、番号の近くに書いてあるか
3つ目は、手元のスマホで実際に押して試してください。かけられずに番号を書き写すことになったら、それもメモに残します。直せるかどうかは、サイトを管理している人に聞く材料になります。
戻った数がいくつなら合格、という決まりはありません。数えておくのは、直す前と後を比べられるようにするためです。
正直、線を引きながらスマホを触るのは、少し間の抜けた作業です。それでも私なら、感想ではなく数で残します。「探しにくい気がする」だけでは、頼まれた側もどこを直せばよいのか分からないので。
連絡の方法ごとに、相手が知りたいことを添えておきます
入口が見つかっても、その先で手が止まることがあります。連絡の方法ごとに、相手が知りたいことが書いてあるかを見ます。
| 連絡の方法 | 相手が知りたいこと | 添えておく文の例 |
|---|---|---|
| 電話 | 今かけてよいのか。誰が出るのか | 受付の曜日と時間。「加工のご相談は営業が承ります」のような窓口の案内 |
| メール | 何を書けばよいのか | 「図面や写真を添えていただけると、話が早く進みます」のような一文 |
| 問い合わせフォーム | 送ったあと、どうなるのか | 返事の方法(メールか電話か)と、返事までの目安 |
表の中身は例です。自社で約束できることだけを書いてください。
返事までの目安は、守れる書き方にしておきます。守れない日数を書いてしまうと、待っている相手にも、返事をする社内の人にも負担がかかります。
私なら、連絡の方法をどれか1つに絞りません。電話のほうが早い人もいれば、勤務中は電話をかけづらくて、フォームのほうが助かる人もいるからです。相手が選べるように、同じ場所に並べておきます。
もう1つ見ておきたいのが、ページによって連絡先の書き方が違っていないかです。たとえば、番号が変わったあとも、古い番号が残っているページ。見つけた人は、どちらにかければよいのか迷います。サイトの中の電話番号とメールアドレスを、全部のページで見比べておくと安心です。
確かめた結果は、直す場所のメモにして管理者に渡します
確かめて終わりにせず、メモにして、サイトを管理している人に渡します。社内の担当者でも、作ってくれた会社でも同じです。
メモに書くのは、次の4つです。
- 確かめた日と、使った機器(パソコンかスマホか)
- 入口にしたページ
- 手が止まった所と、戻った数
- こうなっていてほしい、という希望
手が止まった画面は、そのまま保存して添えます。言葉で説明するより、ずっと伝わりやすいんですよね。
たとえば、製品のページを1枚だけ選び、読み終えた所に入口を足してもらいます。直した日を控えて、同じ手順でもう一度触る。戻った数が減ったかどうかは、その場で比べられます。
問い合わせの数が増えるかどうかは、やってみないと分かりません。直した日と、その前後の問い合わせの数を控えておけば、あとで比べられます。効果は、測ってから言うものだと私は考えています。
まとめ:入口の場所、スマホでの道のり、方法ごとの案内を確かめる
- 製品のページを読み終えた所に、問い合わせへの入口があるかを見る
- スマホで、電話番号にたどり着くまでに何度戻ったかを数える
- 電話・メール・問い合わせフォームのそれぞれに、相手が知りたいことを添える
どれも、初めて来た人のつもりで触れば、今日のうちに確かめられます。まずは製品のページを1枚だけ、小さく試してみてください。
確かめたメモを見て、どこから直すか迷ったら、メモを持ってご相談ください。Next Creations は、中小製造業向けに、ホームページの制作と改善をしています。直すと決めていなくても、今の状態を一緒に見るところから始められます。連絡先は info@next-creations.jp です。


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