たとえば、社長から「うちのホームページ、検索しても出てこないぞ」と言われたとします。 作ったのは何年も前で、作ってくれた会社とのやり取りも途絶えている。 SEO(検索で見つけてもらうための工夫)の本を開いても、何から手をつければよいのか分からない。 そんな場面を思い浮かべてください。
私なら、直す前に、まず今の状態を確かめます。 確かめるのは、検索結果に出ているか、題名と説明文がどう見えているか、スマホで読めるかの3つです。 どれも、自社のサイトと検索の画面を開けば、今日のうちに見られます。 ただし、これをやれば順位が上がる、という話ではありません。
検索でトップになる秘訣は無い、と Google 自身が書いている
確かめる前に、Google 自身が書いている前提を見ておきます。
Google のSEO スターター ガイドには、冒頭近くに「残念ながら、Google でのランキングがトップになるような秘訣はありません」とあります。 紹介する方法の中には、自分のビジネスに当てはまらないものもある、という断りも付いています。
SEO を頼む会社を選ぶ人向けのGoogle のページには、「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」と書かれています。 たとえば「広告を出せば検索の順位も上がる」と聞いたことがあるかもしれません。 同じページには、Google で広告を掲載しても、検索結果でのサイトの表示には影響しない、とあります。
この記事に書くのは、Google のページにあることと、それをもとに自社のサイトで確かめられることです。
確かめること1:自社のサイトが検索結果に出ているかを site: 検索で見る
最初に見るのは、自社のサイトが Google に登録されているかどうかです。
SEO スターター ガイドは、site: 検索演算子を使って、Google で自分のサイトを検索する方法を案内しています。 検索演算子は、検索の窓に入れる特別な書き方のことです。 たとえば自社のサイトの住所が example.co.jp なら、site:example.co.jp と入れて検索します。
結果が自分のサイトを指していれば、インデックスに登録されている、とガイドは書いています。
インデックスは、Google がページの情報を保存しておく大規模なデータベースです。 Google 検索の仕組みのページには、インデックス登録は保証されているわけではない、とも書かれています。 Google が処理するページのすべてが登録されるとは限らない、という書き方です。
出てこないときは、技術的な要因が無いかをサイトの管理者に聞く
site: 検索で自社のサイトが出てこない場合は、自分で抱え込まず、サイトを管理している人に聞きます。
ガイドは、表示されない場合について、次のように案内しています。 技術要件に目を通して、表示を妨げる技術的な要因が無いことを確かめる、というものです。
Google 検索の基本事項には、多くのサイトはそのままでも技術要件を満たしている、とあります。
たとえば、サイトを作った会社に連絡するとします。 伝えるのは、site: 検索で出てこなかったことと、確かめた日です。 私なら、検索結果の画面をそのまま保存して、一緒に渡します。
確かめること2:検索結果の題名と説明文が、ページの中身を表しているかを見る
次に、site: 検索の結果に並んだ題名と説明文を、上から順に読みます。 見るのは、ページごとに中身が分かる文になっているかどうかです。
題名は、ページごとに違う具体的な文になっているか
題名は、ページごとに違っていて、中身が具体的に分かる文かどうかを見ます。
検索結果の見出しの部分を、Google はタイトルリンクと呼んでいます。 タイトルリンクのページによると、タイトルリンクは自動的に作成されます。 もとになる情報として、title 要素(ページの題名を指定する場所)の文や、ページ内の見出しなどが挙げられています。 title 要素に書いた文が、そのまま検索結果の題名になるとは限りません。
同じページには、サイトを作る人向けに、次のような助言が載っています。
- サイト上のすべてのページに、title 要素でタイトルを指定する
- 具体的でわかりやすい文を書く。トップページに「ホーム」のような、あいまいなタイトルは付けない
- 不必要に長いものや無駄な情報は避ける。title 要素の文がすべて表示されるわけではないため
- すべてのページに同じ文や定型文を使うのは避ける
- キーワードの乱用は避ける
たとえば、製品のページも設備のページも、題名が会社名だけになっていないでしょうか。 その場合、検索結果を見た人は、題名からページごとの中身を読み取れません。
説明文は、ページごとに書き分けてあるか
説明文は、どのページにも同じ文が並んでいないかを見ます。
題名の下に出る説明の部分は、スニペットと呼ばれます。 スニペットのページによると、スニペットはページの内容から自動的に生成されます。 検索ごとに違うスニペットが表示される可能性がある、とも書かれています。
メタ ディスクリプションは、ページの説明を書いておく場所です。 訪問した人が見るページには表示されません。 Google は、その説明のほうがページを適切に表している場合は、使用することもある、と書いています。 スニペットのページの確かめた範囲では、毎回使われる、という記述は見当たりませんでした。


助言として挙げられているのは、ページごとに固有の説明を作ることです。 すべてのページに同じ説明や似た説明を付けても役に立たない、とされています。 質の高い説明は、検索結果に表示されることがある、とも書かれています。 検索トラフィック(検索から来る訪問)の質と量の改善に、大いに役立つ可能性がある、という書き方です。
たとえば site: 検索の結果で、どのページにも同じ説明文が並んでいたとします。 その場合は、説明が書き分けられていないのかもしれません。 サイトの管理者に、説明文の設定を見てもらう材料になります。
題名と説明文を読むときは、探す人の言葉になっているかも見る
題名と説明文を読むときに、あわせて見るのが言葉です。 題名や見出しの言葉が、社内の呼び名ではなく、探す人の言葉になっているかを見ます。
SEO スターター ガイドには、検索する人が使いそうな言葉を考える、という話があります。 よく知っている人と知らない人では、使う言葉が違うことを予測して書く、というものです。 そうすると、検索結果でのパフォーマンスに良い影響を与えることができる、と書かれています。
たとえば、社内では設備の名前で呼んでいる加工があるとします。 探す側は、材料の名前や、作りたい部品の名前で検索しているかもしれません。 私なら、営業の人に「お客様は最初の電話で何と言ってきますか」と聞いて、言葉を書き出します。
言葉を詰め込めばよい、という話ではありません。SEO スターター ガイドには、キーワードの乱用は Google のスパムに関するポリシーに違反することにもなる、とあります。
言葉の候補を広げたいときは、生成AIに案を出してもらう方法もあります。 指示の出し方は、製造業の事務でのChatGPTの使い方と指示の出し方のコツにまとめています。 出てきた案は、お客様が本当に使う言葉かどうかを、社内で確かめてから使います。
確かめること3:自分のスマホで開き、パソコンと同じ内容が読めるかを見る
3つ目は、自分のスマホで自社のサイトを開いて、パソコンで見たときと見比べることです。 もとにしたのは、Google のモバイル ファースト インデックスのページとページ エクスペリエンスのページです。 どちらのページも、確かめた範囲では、スマホで開いて確かめる、という手順は見当たりませんでした。 それでも私なら、まず自分の手元で見ます。
そう考える理由は、モバイル ファースト インデックスのページにあります。 Google のインデックス登録とランキングでは、モバイル版のサイトの内容を使う、と書かれています。 スマートフォン用のクローラーで読み取った内容です。 これをモバイル ファースト インデックスと呼びます。 Google 検索の仕組みのページでは、クローラーは、ウェブ上のページからテキストや画像などをダウンロードする自動プログラム、と説明されています。


モバイル版のページを用意することは、検索結果に表示させるための要件ではありません。 ただし、非常に強く推奨されている、という書き方です。
同じページには、モバイル版の内容がパソコン版より少ない場合についての助言があります。 主要なコンテンツをパソコン版と同等にすることを検討を、というものです。 たとえば、パソコンでは見える設備の一覧や加工の事例が、スマホでは省かれていないでしょうか。
私が見るなら、次の4つです。
- 文字を拡大しなくても読めるか
- パソコンで見える製品や設備の情報が、スマホでも載っているか
- 表や図面の画像が、画面からはみ出していないか
- 電話番号や問い合わせフォームへの入口が見つかるか
ページ エクスペリエンスのページは、ページの使い心地を扱っています。 Google 検索は、常に最も関連性の高いコンテンツが表示されるように設計されている、とあります。 使い心地が平均を下回るコンテンツも含めて、という書き方です。 ただし多くの場合、検索語句に合う有用なコンテンツは多数ある、とされています。 その中で順位を上げるには、優れた使い心地が重要になる、という趣旨の記述です。
直したあとは、数週間待ってから検索結果を見る
直した結果は、すぐには検索結果に表れないことがあります。
SEO スターター ガイドには、数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もある、と書かれています。 数週間待ってから、検索結果に良い影響があったかを確認することが、一般的なすすめとして書かれています。 ただし、変更すれば目に見える変化が現れるというわけではない、ともあります。
たとえば、まず製品のページを1枚だけ選んで、題名と説明文を直してもらいます。 直した日と、直す前と後の文を控えておきます。 数週間たってから、同じ site: 検索で見え方を比べます。
記録は Excel の表で足ります。 複数の人で同じファイルに書き込むなら、共有Excelを同時編集できない理由と解決策も参考にしてください。
まとめ:直す前に、今の状態を3つ確かめる
確かめることは3つです。
- 検索結果に出ているかを、site: 検索で見る
- 題名と説明文が、ページごとに中身を表す文になっているかを見る
- 自分のスマホで開き、パソコンと同じ内容が読めるかを見る
どれも、直す場所を決めるための確かめ方です。 やれば順位が上がる、と約束できるものではありません。 直したあとは、直した日を控えて、数週間たってから見え方を比べます。
確かめてみて、どこから直すか迷ったら、確かめた結果のメモを持ってご相談ください。 Next Creations は、中小製造業向けに、ホームページの制作と改善をしています。 私自身、ホームページの作成と管理を担当してきました。 すぐに直す話でなくても、今の状態を一緒に見るところから始められます。

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