生成AIのニュースを見るたびに「で、うちに関係あるの?」と思っていませんか。 会社として生成AIを使えるようにしようとしたとき、私は使うサービス・プラン・毎月の費用・セキュリティを調べて、資料にまとめました。 今もニュースは、そのときと同じ目で読んでいます。 まずは今週の3つが、自分の会社の契約・ホームページ・社内ルールのどれに当たるかだけ見てみてください。
3つとも、今日すぐ何かを変えなければいけない話ではありません。 ただ、Copilot の話は契約の前に、IPA の短信は社内ルールを見直すときに、知っておくと動きやすくなります。 Google 検索の変更は、試験中のものが多いので、様子を見る側に置いています。
- Microsoft 365 Copilot の買い方と従量課金が、2026年12月1日から変わる:会社のルールを先に確かめる
- Google 検索の AI の答えで、参照元のリンクを目立たせる変更:様子を見る
- IPA の「AIセキュリティ短信 2026年10月号」:会社のルールを先に確かめる
Copilot が12月から Microsoft 365 の基本の契約なしでも買える形に。従量課金の上限は契約の前に確かめる
Microsoft 365 Copilot は、2026年12月1日から、買い方と支払いの形が変わると発表されました。 発表の場所は、Microsoft の販売パートナー向けのお知らせのページ(英語)です。
発表されたこと
お知らせは2つあります。 1つ目は2026年10月14日の発表です。Microsoft 365 Copilot と Microsoft 365 Copilot Business の新しい販売形態が、対象となる Microsoft 365 の基本の契約がなくても買えるようになるとされています。 2つ目は10月1日のお知らせで、10月14日に更新されました。販売パートナー経由で新しく買う Copilot Business では、従量課金(使った分だけ払う形)が初めから有効になります。
| 日付 | お知らせにあること |
|---|---|
| 2026年10月16日 | 今の販売形態の名前に「(add-on)」が付く |
| 2026年11月1日 | この日の価格表のプレビューより前に、新しい商品番号を公開する予定 |
| 2026年12月1日 | 新しい販売形態で、基本の契約がなくても買えるようになる。価格は今の販売形態と同じ |
| 2026年12月1日 | 販売パートナー経由の今の販売形態は、販売終了。今の契約は更新や席数の変更を続けられ、対応は不要 |
| 2026年12月1日 | 販売パートナー経由で新しく買う Copilot Business で、従量課金が初めから有効になる(以前は2026年11月2日と知らせていた) |
出典:Microsoft Partner Center のお知らせ(2026年10月)
このほかにも、読む前に押さえておきたい条件がいくつか付いています。
- どちらも、販売パートナー(CSP。Microsoft の製品を売る会社)向けのお知らせです
- 購入の仕方の変更で、Copilot の機能は変わらないとされています
- Copilot の働きは、契約している Microsoft 365 のアプリやサービスに左右されるとされています
- 従量課金は、オーストラリア・ドイツ・フランス・韓国など11の国と地域では、当初は提供されません。日本は、その一覧に入っていませんでした
出典:Microsoft Partner Center のお知らせ(2026年10月)
従量課金の利用の上限は、初期値が1人あたり月 4,000 Copilot Credits で、管理者が変えられると書かれています。 対象は、Copilot Cowork、Work IQ APIs、GitHub Copilot Harness などの、使った分だけ支払う機能です。 確かめた範囲では、このお知らせのページに、1 Copilot Credit がいくらかは載っていませんでした。
出典:Microsoft Partner Center のお知らせ(2026年10月)
事務や導入の担当は、見積もりと請求の見方が変わる
たとえば、事務所で Excel や Outlook と一緒に Copilot を使いたい会社なら、契約の組み合わせを考える前提が変わります。 導入の費用を社内で説明する人にとっては、見積もりを取る前に知っておきたい変更です。 販売店から Copilot Business を新しく入れる場合は、使った分の支払いが初めから有効な形になります。 経理や導入の担当の人が、契約のときに上限の設定と変え方を確かめる場面が出てきそうです。
契約の前に、上限と請求を見る人を決めておく
私が自作のアプリを社内で進めたときも、いちばんのネックは「AI の費用はどうするのか」でした。 正直、中身の話より先に、費用の話で止まりやすいと感じています。 だから今回の話は、私なら「会社のルールを先に確かめる」に置きます。
「価格は今と同じだから、気にしなくていい」は、半分しか合っていません。 価格が同じとされているのは、買い方の変更の話です。従量課金は、それとは別のお知らせで出ています。 だったら、上限の初期値をそのまま使うのか、誰が変えるのか、使った分の請求を誰が毎月見るのかを、先に決めておけばいいんです。 買う前に、上限を決める人と、請求を見る人を決めておく。ここが決まっていれば、上への説明もしやすくなります。
なお、Microsoft と直接契約している会社にどう当てはまるかは、私も確かめきれていません。 契約している販売店に、一度聞いてみてください。
費用を説明する前に、AI に何を任せるのかが決まっていると、話が早く進みます。任せる作業と人が持つ判断の分け方は、次の記事にまとめました。


Google 検索の AI の答えで、参照元のリンクが目立つ形に。自社のホームページは様子を見る
Google は2026年10月15日、検索の AI モードと AI による概要(AI Overviews)で、参照元のサイトへのリンクを目立たせる変更を発表しました。
発表されたこと
Google のブログによると、変更は次の5つです。
- 答えの中のリンクを増やし、答えの上のほうに出すことを増やす
- 答えのいちばん上の専用の欄に、公式のサイトを1〜2件、役に立つ理由と一緒に出す(試験中)
- ニュースの記事の一覧の表示を、より多くの地域と言語に広げる
- 一部の答えの最後にある関連記事のリンクに、画像の縮小版を付ける
- AI モードの動画の結果で、作成者の名前から検索のプロフィールに移れるようにする(試験中)
出典:Google のブログ:AI モードと AI による概要の更新
公式のサイトの欄と、作成者の名前のリンクは、まだ試験の段階です。 ニュースの一覧は「世界の追加の地域と言語」に順次広げる、とされています。 確かめた範囲では、Google のブログの発表には、日本での提供と、提供の日程は書かれていませんでした。
出典:Google のブログ:AI モードと AI による概要の更新
ホームページから問い合わせを受けている会社に関係する
あなたの会社のホームページは、問い合わせの入口になっていますか。 たとえば、見積もりの相談をフォームで受けている会社なら、検索の AI の答えに自社のページがリンクとして出るかどうかは、訪問の動きに関わってきます。 検索からの訪問が増えた、減ったと感じたときに、その前提が変わっているかもしれない、ということです。
私もホームページを1人で回していたころ、アクセス解析は入れたものの、手間ばかりかかって見なくなりました。 データはたまっていくのに、手を打てない。今ふり返ると、もったいなかったと思います。
今は様子を見て、検索からの訪問を見比べられるようにしておく
私なら、この話は「様子を見る」です。 試験中のものが多く、日本でいつから使えるのかも分かっていないからです。
「AI の答えに載るための工夫を、今すぐ始めないと遅れる」と焦る必要は、私は無いと考えています。 じゃあ、どうするか。 変更の前と後で、検索からの訪問を見比べられるようにしておく。今やっておくのは、これくらいで足ります。 手を打つのは、自社の数字で変化を見てからで十分です。 効果は測ってから言う、というのが私の考えです。
自社のホームページが検索でどう見えているかを、今日確かめられる所は、次の記事にまとめました。


IPA の「AIセキュリティ短信」10月号。AI にメールやファイルを触らせる前の、社内ルールの見直しに
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が、「AIセキュリティ短信 2026年10月号」を掲載しました。 掲載ページの最終更新日は、2026年10月16日です。
掲載ページに書かれていること
短信は、国内外の公開情報から、AIセキュリティの観点で動向と事例を紹介する月刊の資料です。 10月号の要約の見出しは6件で、次のようなものが並んでいます。
- AIエージェントが情報漏えい経路になり、外側からの統制が必要に
- AIエージェントの悪用が被害をもたらすも攻撃の手口は従来のまま
- AIで挙動を決めるマルウェアが相次いで報告される
本文は4つの章、計41件の項目です。そのうち「AIを悪用したサイバー攻撃への対処」が19件を占めます。 ページに書かれた対象読者は、AIシステムの開発者とセキュリティの担当者です。 掲載内容は各調査時点の情報で、その後に状況が変わっている可能性がある、と注記されています。
見出しに出てくる言葉は、ふだんの仕事ではあまり聞きません。ざっくり言い換えると、次のようになります。
- AIエージェント
-
人の代わりに、いくつもの作業を続けて進める AI のこと
- マルウェア
-
パソコンなどで悪さをするプログラムのこと
AI にメールやファイルを扱わせるかを決める場面に関係する
たとえば、取引先とのメールや受け入れの記録を AI にまとめさせたい、という声が現場から出たとします。 そのとき、総務や情報システムの担当の人が、AI が情報漏えいの経路になる動きや事例を確かめる材料になります。 国の機関の資料なので、社内で説明するときにも、出どころを示しやすいはずです。 とはいえ、開発者向けの資料を、総務の人がいきなり全部読むのはしんどいでしょう。まずは要約の見出しだけで足ります。
要約の見出しを1つ選んで、社内ルールと照らす
会社として生成AIを使えるようにするまで、私も何度か説明を重ねました。 最初に出てきたのはセキュリティの問題で、AI に情報を入れるときのルールが、そもそも会社にありませんでした。 正直、壁は高かったです。
「AI のセキュリティは開発者の話で、うちには関係ない」とは、私は思いません。 AI にメールやファイルを渡すかどうかを決めるのは、使う側の会社です。 社外秘の情報を AI に入れないのは、当然の前提として置いておきます。 そのうえで私なら、AI にメールやファイルを扱わせてよいかが、今のルールに書いてあるかを先に確かめます。 今の社内ルールに、そこは書いてありますか。
書いていなければ、要約の見出しを1つ選び、「うちならどうするか」を話し合う入口にすればいいと思います。 見出し1つ分なら、短い打ち合わせでも話せます。
社内ルールで決めておく項目と、そのまま直して使えるひな形は、次の記事にまとめました。


まとめ
- Microsoft 365 Copilot は、2026年12月1日から買い方が変わる。販売パートナー経由で新しく買う Copilot Business は、従量課金が初めから有効になる。契約の前に、上限と請求を見る人を決める
- Google 検索の AI の答えで参照元のリンクを目立たせる変更は、試験中のものが多い。日本での提供は書かれていなかったので、様子を見る
- IPA の「AIセキュリティ短信 2026年10月号」には、AIエージェントと情報漏えいなどの見出しが並ぶ。社内ルールを見直す材料にする
今週のうち、まず試すならこれです。 IPA の掲載ページを開いて、要約の見出しを1つだけ選び、今の社内ルールに当てはまる項目があるかを見てください。 見出し1つでも、社内で話を始めるきっかけになります。


契約の前に今の仕事の流れを整理したい、ホームページの問い合わせの入口を見直したい、というときは、お問い合わせから声をかけてください。 Next Creations では、中小製造業向けのホームページの制作・改善と、現場の流れに合わせた業務システムの個別開発をしています。
この記事で確かめた資料
この記事のニュースは、次の公式ページで確かめました。
- Microsoft Partner Center のお知らせ(2026年10月)(英語。Copilot の購入の形と、Copilot Business の従量課金の2つのお知らせ。どちらも販売パートナー向け)
- Google のブログ:AI モードと AI による概要の更新(英語)
- AIセキュリティ短信(IPA)(掲載ページの内容だけを確かめました。本文の PDF は開いていません)
英語のページは、日本語に訳して読んでいます。細かい言い回しは、原文でも確かめてみてください。 お知らせの内容は、発表した会社が書き換えると変わることがあります。契約や設定を決める前に、一度公式のページを開いてみてください。




